いま銭湯絵師界で何が起きてるのか? 湯島ちょこさんVS勝海麻衣さん騒動の真相を探る――!


湯島ちょこさんのインスタグラムから。
銭湯関連が一切ない勝海麻衣さんのインスタグラムとは対照的だ

笑顔でツーショットに収まる、黒いTシャツの若い女性と、同じく黒いTシャツの高齢男性。一見、仲睦まじいさがうかがえる2人だが、このあと引き裂かれてしまうことになるとは、このときの2人は知る由もなかったーー。

若い女性は、銭湯アイドルとして各地銭湯でオフ会や物販を行うなどの活動をする、湯島ちょこさん。高齢男性は、銭湯界隈では言わずと知れた存在、日本に3人と言われている銭湯に背景画を描く職人である、銭湯背景絵師の丸山清人さん(84歳)。2人は現在炎上中の、”銭湯絵師見習い・勝海麻衣さん騒動”の主たる登場人物である。

今回の騒動は、勝海麻衣さんにまず盗作の疑惑があがり、謝罪したが態度が悪く炎上。すると突然、湯島ちょこさんが「弟子の座を勝海さんに奪われた」との告白をし、師匠本人がそれを否定。2本柱が同時炎上する騒ぎとなっているものだ。

弊サイトは2人について、周辺関係者に取材を進めた。

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60年のキャリアを持つ丸山さんが講師を務める銭湯画教室に湯島さんが訪れたのは、数年前に遡る。

「僕が知っているのは、2016年頃からです。熱心に習い、描いたものをSNS上にアップしていました。初心者としては、漫画家という肩書きもあるそうなので『さすが! 上手い!』と思いましたが、当然プロには及ばないのは素人目からもわかるくらいでした」(銭湯関係者)

湯島さんの銭湯への愛は、深い。自身でもSNS上で、
<自殺を踏みとどまった昔ながらの銭湯の背景を無くしたくないと思って勉強してきました>
と告白するように、命の恩人である銭湯への愛がほとばしっているのだ。それはこんな行動にも現れた。

「2017年3月のことです。彼女がブログで、とある銭湯で行われるイベントに出演する旨を告知していましたが、主催者側に聞くと、『オファーしていないのに、自分のブログに勝手に”出演する”と書いている』と言うのです。そんなばかなことはあるかと思いましたが、彼女は『出演する』と、引かなかったそうです」(銭湯マニア)

主催者側は戦慄した。「当日、突然来られても困るから」と、彼女を正式な出演者に加えたそうだ。愛する銭湯を前に、引き下がるわけにはいかないのだろう。

「彼女は無事にイベント出演できました。用意周到に持ってきたグッズも売れたようです」(前出・銭湯マニア)

彼女の出演を心待ちにしていたファンは、さぞ安心したに違いない。また、同じく2017年頃、こんなこともあったという。

「彼女はいろいろな銭湯と幅広い付き合いがあるのか、銭湯に自作グッズを置いてもらっているようです。そんななか、とある銭湯にもグッズを置いてもらおうとしてトラブルになったようで、その銭湯関係者は困っていました」(前同)

銭湯への愛に温度差があったのだろう。愛ゆえの悲劇といえよう。

「また、数年前から、『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント』(TBSラジオ)の銭湯での公開収録に熱心に通っていました。毒蝮さんに名前を覚えられたりなど、いつしか”公式共演者”な雰囲気を漂わせていましたが、次第に毒蝮さんはあまり話しかけなくなったといいます」(前同)

「おいババア!」など愛のある毒舌で知られる毒蝮さんだけに、きっと湯島さんへの態度も、愛のあるツンデレ行為に違いない。さらにこんなことも。

「とある銭湯でアルバイトをしていた時期があります。勤務中に動画を撮ったりなど、アイドル活動の一環と思えるようでいて、本格的に働いている様子が本人のブログから伝わってきて好感が持てました。ですが2017年7月15日から30日で終了してしまい、勤務は数回ほど。その理由について『アンチが私を辞めさるよう店に電話を入れたようだ』なんてことを本人が言っていた、という噂があります」(前出・銭湯関係者)

もしその噂が本当なら、現在の彼女に悲劇をもたらしていると主張する、”悪の銭湯集団「加害者組織」”なる者たちが、この頃から暗躍していたということか。

はなから弟子になどしていない――

“悪の銭湯集団「加害者組織」”といえば、今回の騒動で彼女を苦しめる諸悪の根源と言っても過言ではない。

勝海麻衣さん盗作騒動が、彼女や彼女を起用した企業の謝罪文発表で一旦落ち着いた4月1日、湯島さんが告発ツイートを連投した。

・自身が丸山さんから「弟子になるか?」と誘われて弟子になり、話題になったというあと、勝海さんが丸山さんの元に来たこと。
・勝海さんの父親(医者)に頼まれた日本銭湯文化協会理事の町田忍さんが、丸山さんの元に勝海さんをゴリ押ししたこと。
・勝海さんプロモーションに湯島さんは邪魔者扱いされ、残念に思ったこと。
・丸山さんから「町田さんに頼まれたから、君には教えなかったことにするね」と言われたこと。
・勝海さんから、「キャラが被っていて迷惑しているから、弟子だったことを事実ではなかったことにして」と謝罪を促されたこと。
・勝海さんの芸能活動のプロモーションに銭湯絵師の仕事を利用されたり、湯島さんの人権をないがしろにされたことに憤りを隠せないこと。
・彼らは、先に雑誌のモデルやドラマや映画で女優の仕事をしている湯島さんが話題になると、勝海さんのプロモがしにくくなると思っていること。

……などを綴り、瞬く間に拡散、多くのネットニュースに躍り出るにいたった。
それを受けJ-CASTニュースが丸山さんの娘に取材。すると、
<父が絵を描いているところに遊びに来て一緒に写真を撮ったりしていたので、父は、『そんなに絵が好きなら、弟子になったら?』と冗談で>
言ったといい、
<湯島さんを弟子にしたことはなく、本人にも『教えていない』と伝えただけ>
と証言したというのだ。つまり、湯島さんの主張とは食い違い、はなから弟子になどなっていなかった、ということだ。

湯島さんの2017年2月22日付のブログには、
<丸「お、じゃあ弟子入りするか」(中略)ち「是非今日から弟子で笑」>
との記述があり、前日のSNSでは、
<2017年7月20日をもちまして日本に3人のみの銭湯背景絵師そして最高齢の丸山清人さんの弟子になりました>
と、堂々宣言しているのに、だ。

「その頃からかな。彼女主催のイベントポスター等に、丸山さんの名前を記載するようになりました。そうした行動に、丸山さんは困惑したのではないでしょうか」(前出・銭湯関係者)
一体どういうことか。
「たとえばプロサッカー選手がサッカー少年に『大きくなったら、うちのチームで一緒にやろうな』と言い、少年は無邪気に『うん! 俺やる!』と頷くように、丸山さんの優しい社交辞令が、湯島さんの銭湯愛にさらなる火を灯してしまった……と考えてしまいます。丸山さん自身は、数十年間孤独にやってきた職人の元に、ここ最近興味を持つ若者が集まるようになったことが、純粋に嬉しかったんだと思います。それに対し、湯島さんも嬉しかったはずです。だからすぐ宣言し、いたるところで言いたくなったのではないでしょうか」(前同)

しばらくして、そうした湯島さんに対し丸山さんが、「弟子と言うのはやめてほしい、と、お願いをしたのではないか」と、前出の銭湯関係者は分析する。

“銭湯界の重鎮”である町田氏に聞いた

時同じくして同年9月。東京藝術大学院在学中でモデルの勝海さんが、丸山さんの元に現れる。丸山さんのライブペインティングイベント終了後に弟子入り志願をしたという。その後、丸山さんと勝海さんは、怒涛のメディア露出を開始する。銭湯での仕事がありつつ、取材を受けたり、イベント出演を続けた。

そんな2人と湯島さんが、2018年9月9日、同じ銭湯で相見えるのだ。この日、銭湯背景画の面白さを伝えるイベントが行われ、2人と湯島さんは観客やカメラの前で背景画を描くことになった。2人は男湯と女湯に背景を担当。男湯と女湯の境目部分の隙間の背景は、
<若い人にもこうした機会を与えたい>(「葛飾銭湯」2018年9月13日付けの記事より)
と考えた店主が、湯島さんに依頼した。

「湯島さんが告発ツイートを行なったあとに、『銭湯愛に溢れるあなたを支援します』と言い始めた人たちの多くが勘違いしているのが、この日のイベントについてです」(銭湯業界ウォッチャー)

このイベント時の動画を見た支援者からは、3人で作業していることについて、<丸山氏いわく弟子は一人ということなので、弟子複数人が映り込むというのは考えにくい>という声や、湯島さんが本格的な作業をしている点について、<フラッと遊びに来た人に下絵を書かせるというのちょっと無いと思う>という声があがっている。

「要は、『丸山さんの娘は、湯島さんが弟子であることを否定しているが、それは嘘なのでは』と言いたげなんですね。でも実際は、銭湯側が別口でオファーし、別々に作業しているだけにすぎません」(前出・銭湯業界ウォッチャー)

そうした支援者の声に対し、湯島さんはツイッターでこう回答している。

「<仕事でなければお客さんや小娘をこんなところにあげて描かせるわけないです>と、まるで丸山さんがやらせたような印象を与えかねない返信をしています。まあそんな細かいこと、どうでもいいですよね。そんなことより銭湯愛があるか否か、のほうが重要ですから」(前同)

湯島さんはこの日のことを、「銭湯絵師として初の銭湯での仕事」とブログに綴っているが、そこには切なさも漂う。

<私自身は銭湯アイドルの活動や本来の漫画家としての仕事があるので丸山さんについてまわることはできません
 なので弟子になるか? と言ってもらった時に嬉しかったのでペンキ絵を描き始めましたが弟子をとるということに周りからの攻撃的な反対、心無い誹謗中傷があり冗談だったと後日言われてしまいました> 
<弟子ではないですがこうして1人のペンキ絵師として才能を見出してもらいお仕事をいただき一緒に同じ銭湯に描けたことを光栄に思います
 今後は4人目の銭湯絵師として”銭湯絵のない銭湯”を中心に銭湯絵を描いてよりペンキ絵の魅力を広められたらと思いました>

「弟子の話などはなからなかったことがわかったと同時に、ほかの女性が弟子になった……。そうしたショッキングな出来事と遭遇したことで、彼女は深く傷つき、混乱してしまったのでは。彼女が弟子ではなかったことと、勝海さんが弟子になったことに因果関係はないのに、混乱ゆえ、『諸悪の根源が私を排除し、勝海が乗っ取った』というストーリーを紡ぎ出してしまったように思います」(前出・銭湯関係者)

湯島さんが”悪の銭湯集団「加害者組織」”とするメンバーには町田さんがいるとされているが、以前は彼女のブログに好意的に名前があがるなど、否定的な見方はされていなかったように見受けられる。

「町田さんは”銭湯界の重鎮”として銭湯界隈の人とイベントをしたり本を出したり、みんな彼に恩があります。一方で、第一人者としてこだわりが強い面もある。そうしたこだわりを”排除”と取る人もいるのかもしれませんが、湯島さんについては町田さんはそこまで関わっていたようには見えませんでした」(前出・銭湯マニア)

当の町田さんに話を聞くと、困惑しきり。

「僕が『勝海さんの父親に頼まれた』とありましたが、父親には会ったこともないので寝耳に水でびっくりしました。また、僕と勝海さんが結託していると思っているようですが、湯島さんとはかかわりのないところの話で、丸山さんに彼女を紹介しただけす」

また、湯島さんの今回の行動を、「デジャビュのよう」と、前出の銭湯マニアが続ける。

「昔、彼女の知人漫画家が『○○のテーマで漫画を描く』と話すと、彼女から『私のほうが前から○○のテーマで描いている』と言われ、SNSをブロックされたという話を聞いたことがあります。それだけ、自分の対象への愛に自信がある、ということですね」

現在も自身のSNSで、

<裏の組織のお話をしたらだんだん不審な捨て垢の人格批判な誹謗中傷やプロモに関わっているんだろうなと思われる著名人の具体性のないポエムなどを度々見受けはじめました
 命の危険も感じていますが愛するもののために多くのことを皆様に発信して参ろうと思います>
<私は毎朝目覚める度に彼らの酷い仕打ちを思い出し辛い気持ちになってそれでもファンを呼んで銭湯に行ったことのない人たちを日々銭湯に誘導して私自身も銭湯に行ってきました>
<一番大切な銭湯のファンや銭湯に行ってくれる人間を増やす活動をこれからも続けてみんなの愛する銭湯を守れたらと思います>

など、一貫して銭湯への深い愛を溢れさせている湯島さん。そんな彼女に、

「60年間、地道にコツコツとやってきた丸山さんを巻き込み、名誉を傷つけたことだけは許せない」
と、率直な思いをぶつける銭湯関係者もいた。
「同じ銭湯好きならわかるはずです。丸山さんは、昔も今も、子どもからお年寄りまで誰でも優しく平等にかかわる人です。これまで粛々と仕事をしてきて、80歳をすぎて突然欲に目がくらむような人とは思えません。背景画に名前を入れ始めたのも、イベント出演して名前を入れることを頼まれるようになったごく最近ですし。一番の被害者は、丸山さんではないでしょうか」

さて、最後に歌舞伎町のホストに、この騒動について聞いてみた。

「ああー、このじいさん、やっちゃいましたね。だってホストにたとえたら、普段から『ホストが自殺を踏みとどまらせてくれた』とか、『愛するホストを守っていきたい』とかぶっちゃけ重いことを言うホスト狂いに対して、『俺はおまえだけだぜ?』って軽く色恋営業をするようなもんでしょ? そんなのやばいことになるに決まってるじゃん」

湯島さんはホス狂いとは違い、誰がどう見ても日本一真摯に銭湯を愛する女性であり、そこには大きな違いがあることだけは言っておきたい。そして、この騒動がかけ流されることを願いたい。(文◎春山有子)